東北・福島へ 2012/04

4月21日・22日の両日に福島県いわき市に沖縄三線の演奏に行きました。
東日本大震災で被害を受けられた場所へ沖縄民謡やポップスを聞いてもらいに行きました。
今回は八重山民謡の先輩である、川鍋さんと一緒にいく事にしました。
川鍋さんは、介護福祉施設で勤務されていて、日常的にお年寄りの方に歌を聞いていただく活動をされてるようです。
トータルで5カ所での活動となりました。


4月21日 いわき市

今日は2カ所での活動です。レンタカーを借りて東京からの移動となりました。
とてもいわき市は東京から近いです。距離にして約200kmです。
原発問題で福島がクローズアップされますが、東京も無関係で無い事を深く実感します。


最初は、福島原発事故の為に避難をせざるをえなくなった、
双葉郡大熊町の方が暮らされている仮設住宅を目指します。
まずは、大熊町第一仮設住宅に行きました。



仮設に到着すると、大きな広場が作られていました。
これから、いろんなイベントを行いたいとおっしゃってました。
ゴールデンウィーク以降、たくさんの方がこの仮設を訪れて
盛り上げてくれる事でしょう。


まず今回のボランティアライブは演奏する曲について、
これまでの構成からいくつか変更する事にしました。
これまでは沖縄(八重山)民謡 + 沖縄ポップスという構成でしたが、
今回は、沖縄(八重山)民謡 + 昭和唱歌という構成でした。
なぜ昭和唱歌を選んだかというと、私たちが唄うというよりは、
住民の方に唄っていただく為の選曲です。



住民の方は20名ほどの方が集まってくださいました。
最初に八重山民謡等を演奏させていただいた後に、
昭和唱歌を数曲演奏します。
今回のメインは昭和唱歌です。
「二人は若い」「赤いリンゴ」「瀬戸の花嫁」「悲しき口笛」等
を私達は基本的に伴奏のみで、住民の方が歌を唄われます。
みなさん唄ってくださるかが大変心配でしたが、多くの方が唄ってくださいました。
「私はこの一年間歌なんてまともに唄ってないから無利よ。」
とおっしゃる女性もマイクを持って大きな声で歌を歌われてました。
歌をみんなで唄うという機会はなかなか無いようで、とても喜んでもらえました。
よかったという安堵感で会場を後にします。


次は、近所にある大熊町第二仮設住宅です。
ここでも、第一仮設住宅での演奏と同様の構成で、ライブを進行させます。
今回の演奏では、それぞれ、コーナーを分けて演奏するという形式で進めました。
八重山民謡コーナー
・昭和唱歌コーナー(住民の方が唄う)
カチャーシーのコーナー(踊る)
最後は前回いわきを訪問した時も同様でしたが、
「ふるさと」をみんなで合唱して終わります。
お叱りを受けるかも知れないと思っていましたが、
最後にみなさんとどうしても故郷が唄いたかったので、そのようにしました。


第二仮設住宅での演奏が終わり、
明日も引き続き、原発事故によって避難を余儀なくされている方に
お会いするという事で、前回と同様、警戒区域近くまで行ってみる事にしました。
いわき市からは、広野町を抜けて、Jビィレッジまでは
近づく事ができます。とりあえず行ける所まで行ってみる事にしました。
Jビィレッジに近づくにつれ、至る所に、作業員を載せたマイクロバスが
走る事が分かります。

中にいる人達が、福島第一原発で活動をされている事がすぐに分かりました。
何となく現実を感じたくてここに来たのですが、
「何で俺ここにいるんだろう、、、」という後悔の気持ちもありました。
うまく言葉に表せない、すっきりしない気持ちで、宿に向かいます。



4月22日 いわき市


今日は3カ所での活動です。
まずは、鹿島という場所にある、大熊町の方が避難される施設を目指します。 
ここでも昨日と同様の構成で唄いましたが、少しずつ、私と川鍋さんの息もあってきました。

最後に「ふるさとを唄いましょう」というと、
ある方が「俺たちの故郷なくなっちゃったんだよな」と言われました。
笑顔でおっしゃられていますが、心は泣いています。
私たちは何も言えませんし、何もいう資格もありません。
精一杯心を込めて「ふるさと」を唄いました。
演奏が終わってからは、仮設で暮らす2人の姉妹の遊び相手になっていました。
いや、遊んでもらっていたのでしょうかね。
無邪気に絡んでくる姉妹と遊んでいるとホッとしてしまいます。


次は楢葉町の方が避難されている仮設住宅です。

平作町にある仮設に行きました。
唱歌コーナーを進行する段取りも良くなってきました。
今回のボランティアライブの為に川鍋さんが大きな歌詞を作ってくれました。
みんなが前を向いて唄える為の歌詞です。
ここでも皆さん大きな声で歌をうたってくださります。

最後に「ふるさと」を唄い終え、ライブが終わった時に、
目に涙を一杯に浮かべた女性の方が
「本当にありがとう。楽しかった」という言葉と一緒に、
地元のトマトジュースをくださりました。嬉しかったです。
故郷に帰れないという現実を抱えた方に「ふるさと」を唄うなんてと、
躊躇する気持ちも少しありましたが、
結果として演奏して良かったなと思いました。
私自身は自身の故郷を思い浮かべながら、「ふるさと」と唄っていました。



最後は四倉町にある、楢葉町から避難された方の仮設住宅を目指します。
こちらはこれまでと異なり、住民の方が若い方がおられたからか、
昭和唱歌のうけが、これまでの反応と比較すると若干よくなかったです。
選曲を再検討すれば、もっとよくなる筈と思いました。


そして八重山民謡も下手ながら「赤馬節」「小浜節」を一生懸命に演奏させてもらいました。
もっと上手になって、正しい八重山民謡を披露する事ができればと思います。


まとめ


毎月2日間のボランティア活動を今月も何とか終える事ができました。
川鍋さんには、これまで経験した事のない手法を学ばしていただき、
本当に勉強させてもらいました。ありがとうございました。